三者三様の思いや形をもとにしたシビックエコノミーを実感

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6月24日、岡村製作所の Future Work Studio “Sew” にて、「シビックエコノミー:小さな経済のつくりかた」を企画。

日本のシビックエコノミー』を題材に、地域との向き合い方のこれからについて参加者と対話する場に。

最初に、私からシビックエコノミーの概論や、そうした動きが起きている時代的な背景などをもとにプレゼン。

シビックエコノミーの特徴である
・パブリックマインドがベースにある
・地域のリアルなニーズに気づくことから始まっている
・企業、行政、第三セクターと柔軟に連携する
・静的で制度的な枠組みにとらわれない、自由なアソシエーションを組織している
・基本的に地域の人たちを巻き込み、コミュニティの再生および新生の方向で課題を解決している
・新たな雇用や需要、参加する人の楽しみを生み出している
・いいアイデアを実行している
・活動を柔軟にとらえている
・情報も場もオープンにして、囲い込まない。疎外しない
・ネットワークが豊かである
のポイントを踏まえながら解説。

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ゲストに登壇いただいた今村ひろゆきさんからは、場づくりを通じた地域の価値のつくり方をお話いただき、入谷をベースに地域の商店街や町会との向き合い方や、いかに面白い人たちを集めていくか、をお話いただきました。安定のプレゼンというか、着実にプロジェクトを進めているな、と感じると同時に、自身も東東京にいる身としても、今後もさまざまなコラボができるといいなと考えるものも多かった。

玉川学園のハイパーローカルメディア「玉川つばめ通信」を運営している宇野津暢子さんからは、ご自身の経験などを振り返りながら、玉川つばめ通信の経緯や制作についてお話いただいた。プレゼンが、紙芝居という部分も良かった。

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とことん「私」視点で、ご自身のニーズや意識から生まれたフリーペーパーが、着実に地域のハブになってきていること、愛情のこもったペーパーの出来栄え、「まずはやってみる」という一歩の踏み出し方、スモールスタートのすゝめは、その熱意だからこそだな、と実感。同時に、玉川つばめ通信の今後をどうすればいいか、を悩んでたので、ぜひ、玉川学園に縁のある方は、手にとってみてほしい。

 

セコリGALLERYの宮浦晋哉さんのお話は、日本の産地というまさに社会全体としてはらんでいるクリティカルな問題に対して、颯爽と新しい風を呼び起こしている取り組みを改めて聞けた。自身をキュレーターと名乗りつつも、本質は「おでん屋」と表現する言葉の使い方とその背景にある人とモノをつなぐ考えに共感する部分も多い。同時に、宮浦くんの独特の人の巻き込み方などもさすがだな、と思う。

「やりたいことを周囲に話してみる」というのもまさにそうで、考えていること、やりたいことをまずは話してみる、表現してみることから、次へのアクションが生まれてくる。

 

日本のシビックエコノミー』を出版したが、これはなにか定義づけや特定の団体や取り組みをフィーチャーするのではなく、この本を片手に次なる一歩や、本を軸に新たな出会いが作れたらなと思っている。

今回のゲストの三名も、三者三様の形で実践されているもので、それらの活動すべてに学べるものはあるし、なにもゲストだけが素晴らしいだけではなく、すでに「シビックエコノミー」と呼べる活動を実践している参加者もいた。全国を見渡しても、そうした方々はもっといるはずで、それぞれの知見やノウハウを共有したり、互いに連携できる場をつくっていくことこそが大切だと考えている。

今回も企画も、ゲストがただ話して終わりではなく、ゲストと参加者同士で互いに協働や次なるアクションが生まれる場になればと思ってるので、こういう場を色んなところで実施できれば。

今回のような企業の場、民間の場、NPOなどの場などで、来る人の層が違うので、それぞれでそれぞれの場での対話を今後の重ねていきたい。