AirbnbのCo-Founderから学んだコミュニティの大切さ

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あけましておめでとうございます。2012年、これまで多くの人たちにお世話になりながら28年過ごしてきました。2012年の振り返りは、2012年で終わるものではなく、2013年に向けての大きな出来事の連続だったと思います。

チェンジメーカーが集い世界とつながる場をつくりだすHUB Tokyoの設立や、社会に対して声をみんなが声をあげるこれからの民主主義をつくりだすために、ネット選挙解禁へと動き出したOne Voice Campaign,TEDxSeedsの広報スタッフ。そして仲間とともにシェアハウスをしそこから新しい活動の芽吹きが出始めるなど、多くな活動をしてきました。日々はつねにつながっており、年をまたいだからといって新しい自分ができるあがるわけじゃないからこそ、日々の中で常に意識をしながら精進していきたいと考えて過ごしていきたいと思います。

29歳になる年でもある2013年は、個人としても色々な挑戦と新しい動き、これまでお世話になった方々に対して感謝、そして自分自身としても大きな転換点を迎えていく、そんな年になりそうな予感です。東京に来てもうすぐ6年。これまでの様々な活動の点が面となり、これまでの活動のつながりを大切にしながらより大きな活動へと頑張っていきたいと思います。

そうした中で、この年末年始は僕自身としても大きな気付きや出会いが多かった数日でした。この数日は、自分の人生においても重要なものになるような予感がします。

ことの始めは12月29日。その日の夕方はちょうど4人でシェアハウスのメンバーと一緒に今年一年間の振り返りワークショップをおこなう予定でした。また、ぼくはいなかったのですが昼間には、空き部屋のマッチングサービス「Airbnb」の部屋の撮影のためにカメラマンの人が部屋に来て写真撮影をしにきていました。

もともと、部屋に大きな大きなソファーを置いている僕らのシェアハウス。編集者やエンジニアな人たち4人が集う僕らも、ただ一緒に住むだけではなく、街や都市に根付いた活動を通じ、自分たちが住んでいる街のことや、海外の人たちとコミュニケーションを図ることで、新しい気付きなどを得られるのでは、そして、海外や地方からの面白い人たちが僕らの部屋を拠点に東京で活動をしてもらうことで、色々な発見などができれば、という思いでAirbnbを初めました。そのAirbnbを使うのに、部屋の写真は実際に部屋に泊まるときの大きな要素になります。そういたユーザの要望を運営側もサービスにフィードバックしており、ホストになる利用者向けに無料でカメラマンを派遣して綺麗な写真を撮影するサービスを提供しています。

(photo by junyamori)

そんなカメラマンの撮影が終わったあとに、用事から返ってきた僕は、メンバーと一緒に今年一年間、自分がこれまですごした5年間、そして、これからの5年後における自分自身について語り合い、そこから2013年をどうすごすかということを書き出し合うワークショップをおこないました。

4人それぞれに様々な考えをもっており、人は10人いれば10人とも違ったこれまでの生活や経験、そして自分自身が大切にしている思いや哲学をもっています。そうしたそれぞれの思いを互いに共有し、お互いの未来を感じながらどうするとそれぞれが向かいたい方向に歩めるか、ということを話し合うことで、これからの生活や仕事のあり方に影響をしてきます。そうした話し合いを年末にもてたということで、これからの生き方の整理ができたと思います。

そして、実は29日は、さきほど紹介したAirbnbで部屋の宿泊ページをたちあげて最初のゲストであるJoeが来る日でもありました。サンフランシスコから来るデザイナーというプロフィールだけ聞いていたのですが、最初のゲストということもあり、とても楽しく待っていました。

ちょうど、2013年をどう過ごすか、ということを話し合うことに、そのゲストは家に到着しました。ついて早々でもあったけど、ちょうどよかったということで、僕らのワークの内容についてシェア。それぞれがいまやっている仕事やこれから、そして来年へのNext Actionについて話をしました。全員が話し終えたとき、「せっかくだしJoeも来年なにするの?」と話をふったところ、なんとAirbnbのCo-Founderだということが判明!(誰もそれにきづかなったことでみんな大爆笑と同時に、大興奮!だってはじめてAirbnbを使ってきたゲストがなんとそのサービスのCo-Founderなんだから(笑))

Joe の名前はJoe Gebbia。AirbnbのCPO(Chif Product Officer)という肩書き。2005年までRhode Island School of Designでデザインを専攻していた人で、大学卒業後に自身で出掛けたプロダクトを作ったりという経歴でした。その後、たまたまサンフランシスコでおこなわれるデザインのカンファレンスで近くのホテルが予約で満席だったことから、一緒に住んでいたBrian(のちのCEO)と過ごしていた部屋に空きがあるということから、カンファレンスに参加するデザイナーの人たちに対して、Airbedなどを貸し出すサイトを開設。そのサイトの名前がAirbed and Breakfast.その後のAirbnbの始まりとなるサービスとなった、という話をしてくれた。ニュースや記事ではなく、こうして実際につくった本人からサービスの由来やその経緯の話を聞けることに対して、大きな感動や感銘をうけました。

(photo ny Junyamori)

他にも、Joeは様々な話を僕らにしてくれました。サービスを作り始めた頃の話、新しい新サービスの「Neighborhood」に至る経緯など、緊張よりも楽しみや興奮でいっぱいになりながら僕らは臆せずJoeに話をした。もちろん、Airbnbを僕らがつかって気になったユーザフィードバックも忘れてないよ(笑)。

とくに、Joeの言葉で、シンプルながらも言葉に込めた思いをもった話は、僕らとしても色々と考えさせられるものでした。街の魅力を考えること、インターネットの時代だからこそのコミュニティの大切さ。また、Joeはプロダクト・デザインを専攻していたこらこそ、モノを日々作り出す消費の時代に対する違和感を覚え、新しく作り出すのではなく、既存んものを活かしたり、自分の身近な人たちや様々な人たちとShareしていくSharing Economyの大切さなどを話してくれた。その思いが、Airbnbというサービスを作り出す大きな考えなんだと改めて知った。

また、Joeの言葉でも強く印象的だったのは「Social Experience」という言葉だった。オンラインだけではなくオフラインのける人々と多くのことを経験すること。それは、ただ一緒にいるということだけでなく、オープン・マインドで人と接すること、そして相手に対してRespectをする気持ちとHospitalityをもって接し相手と常に楽しい時間を過ごすことで、人は幸せな時間や日々の生活を過ごすことができるということを話してくれた。

インターネットでいつでもどこでもつながったり連絡がとりあえる生活というのは、気づいたらディスプレイの向こうや自身の五感を経ずに相手とやりとりができてしない、コミュニケーションをしている“つもり”についついなりがち。しかし、人はやはり目の前の相手や五感を使って相手と話をしたりやりとりをすることで見えてくるものは多い。だからこそ、人と人とが触れ合いながら何かを生み出すということの重要性、そして、そのためには、自分自身が住んでいる街や都市について考えること、そしてそれらを大切にすることで、改めて自分自身の生活が豊かになる、ということをJoeの話を聞いて考えた。そうした思いを抱かせてくれた出会いが、年末にこうしたあったということは、自分にとっても大きな気付きを得るものになりました。

そこからは、Joeと一緒に数日間をともにすごしました。みんなで飲みに行ったり、Joeが東京で面白いデザイン建物や買い物をしたい、ということで色々なところに案内をしたりもしました。ローカルな場所から渋谷や表参道、新宿など、東京という街を案内しながらJoeとコミュニケーションする日々は、とてもゆるやかでゆったりとした時間が流れていました。

大晦日には、同居人の一人である龍くんがお世話になっている神社に、みんなで除夜の鐘や初詣をしにJoe たちを連れていき、そこで日本のカウントダウンや年越しの話など、改めて海外の人たちに東京のこと日本のことについて話しました。同時に、それがどういった意味であるのかということを自分たち自身も改めて気付かされることも多かった。

意味や説明が難しいものもあるからこそ、相手に理解をしてもらうために言葉を紡ぎ説明することで、考えを整理したり相手にその文化を知ってもらう一つのきっかけとなる。コミュニケーションというのは価値観の違う人たちでの情報交換をおこないながら価値交換をおこなうものだから。そこから改めて日本や東京の魅力に自分たちでも気づくことができたことに対して、Joeに感謝をしたい。

Joeは、改めて1日にみんなで僕らのシェアハウスの近所にある目黒不動尊に初詣に行き、そこからまた日本の別のAirbnbのホストのところ(しかも九州!)に1日の夕方に出かけるということで、みんなでそれまで過ごした3日間を感謝をし僕らはお見送りをした。

帰り際に、僕らの家のことについて「色々な人たちがたくさん来てとてもいい部屋だ。とてもSocial houseで、色々な経験ができるところだ。また、住んでいる人たちがオープン・マインドでホスピタリティ溢れていて、楽しい時間を過ごせた。ありがとう!」という言葉を言ってくれた。その言葉をもらって大きな喜びや感動を覚えたことは言うまでもない。

僕らとして、せっかくの日本の滞在ということで、(もちろんできる範囲ではあるけど)おもてなしや歓迎のことをしてあげたいと考えている。そうした僕らの思いを汲み取ってくれた言葉を交せたことがとても嬉しいと同時に、サービスを作っている人が実際にそのサービスを使って利用者の人たちとコミュニケーションを図ろうという、ソーシャルな意識をもって日々を過ごしている姿に、まさにAirbnbを体現している人なんだな、ということを改めて実感。

そうした思いをもってつくっているということが伝わるサービスを、僕らはもっと好きになったし、そのサービスでもっともっと多くの人が楽しい時間を過ごせることに協力できたらと思う。そして、Airbnbがもっている、コミュニティを大切にするということ、街を愛し街について考えることの素晴らしさを改めて知る機会ができてよかったと思う。Joeとの出会いは、僕の人生でも一つの大きな出来事になったことに対して、Joeに感謝したい。

(photo by takochuu)

Airbnbのストーリーはこちらの動画で見ることができる。

また、この動画では、AirbnbのPVが見れる。動画の中で、住んでいる人たちも顔や、Airbnbが大切にしたいコミュニティの大切さなどが綺麗な映像などから伝わってくる。

インターネットが誕生にそれなりに時間もたち、また、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアなどの登場などによって、情報量や世界のあらゆる人たちと簡単につながることができる環境はできてきた。

しかし、僕らが生身の生活をし、実際にどこかの地域や街に住んで生活をしているということはどんなにインターネットが発達しても逃れることはできない。同時に、街や地域が自分自身の日々をつくりだし、そして、その街や都市から日本やそこにいる国ができてきているということに、僕らはあまりに意識をしていない。

「社会やその国を考える」ということは、それだけの文面を見るとなんだか大きなことのように考えてしまう。しかし、社会や国は自分たちが住んでいる街や都市という身近なものの延長されたものに存在しているということを僕らはもっと意識したほうがいい。街の自治を考えること、例えば街の市長をどうするか、お隣に住んでいる人と会話をし、つながりをつくること、自分が勤めている会社がある地域や自分が住んでる地域がどういった歴史や出来事があるのか、そしてその地域に対して何ができるのかを考えることは、巡り巡って社会や国へとつながっていく、ということを僕らはもっと考えていきたい。

「社会を変えよう」「世界を変えよう」という言葉が流布している中で、改めて自分たちの都市を考えること、身近なコミュニティを考え、そこから何ができるのかを考えること。そうしたことの積み重ねから、社会がちょっと良い方向に進んでいくのだと思う。

政治や社会を考えることは、別に大きなことではなく、身近な問題、自分自身が住んでいる地域や自分の周りのコミュニティを大切にするということからすべては始まる。そうしたことをもやっと考えていたときに、ちょうどAirbnbのJoeに出会い、街やコミュニティといったNeighborhoodを考えることの大切さを改めて教えてもらったことは、大きな出会いであったと、強く感じます。身近なものから社会は変わっていく。そんな思いをもって、2013年、そしてこれからの未来を懸命に生きていきたいと思います。

改めて、2012年は多くの人たちへの感謝の言葉を述べると同時に、これからの2013年という未来をともに作っていくために、一緒に頑張っていきましょう。なにか困ったことがあればお互いさまのなかで、ともに小さなことからでも一緒に問題解決へと向かう、そんなつながりをもって日々を過ごしていきましょう。

江口晋太朗(eguchishintaro)

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