路面は街の風景をつくる要素

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当たり前な話かもしれないが、人は道路を歩くので、(場合によって下を向いているときもあるだろうが)歩いているときの目線は地上を向いている。その目線は、背の高さか、少し上くらいが限界だろう。

そうすると、路面に並ぶ店舗や看板が歩いているときに目につく。

カフェやバー、本屋、立ちそば屋など、地域によって独特な商店が立ち並ぶ。ときには、賑わいを見せる商店街とシャッターが閉まってて閑古鳥が鳴いている商店街もある。

タワーマンションが立ち並ぶ地域では、一階は無機質なオートロックの玄関が立ち並ぶだろう。最近では、一階にコンビニや商店を入れるところもあるが、多くはチェーン店が入居していて、その理由も住民にとっての利便性や地域の人口集積などを計算しているのだろう。

地方のロードサイドを見れば、全国津々浦々、モータリゼーションの影響でどれも同じような景色が立ち並ぶ。

車社会になってしまうことで、日常的に街中を歩くことは少なく、その結果商店街などに人がふらりと立ち寄ることが少なくなってくる、という現象も起きてくる。

路面は街の風景をつくる大きな要素。だからこそ、路面のお店が工事している様子を見ると、「なにができるんだろう」って関心をもって見てしまう。なので、完成間近な様子をみたときの店舗が微妙だったときは、すごく落胆してしまう。

ポートランドが注目されるものの一つに、都市の景観を重視して、テナント店舗に対して厳しいレギュレーションがあるからだ。それにより、街全体が有るきやすく、都市空間全体としてのデザインがそこにはある。

オーナーは自分の土地の利益だけを追求するものなのか。自分だけの利益ではなく、公共性の意識をもったとき、街の風景も視野にいれてその場を設計しようと考えたほうが、結果として、まちにもその場所にも色んな価値が生まれてくるんじゃないだろうか。